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2024年06月06日
相続人以外が遺品整理できるのか
遺品整理は遺族が行うのが基本ですが、遺族の依頼を受け、遺族に代わって遺品整理業者が行うケースも増えてきました。
ここでいう遺族は相続人を指しますが、相続人以外が遺品整理をすることや遺品整理を依頼することができるのでしょうか。
遺品の所有権
遺品は相続財産に該当します。
現金や宝石、貴金属などの貴重品や高価品だけでなく、壊れた家電製品や古くなった家具、使い古しの衣類や下着など、あらゆる遺品が相続財産になります。
相続財産は遺産分割の対象となり、相続人が協議のうえで誰が相続するのかを決めなくてはなりません。
貴重品や高価品は誰が相続するか具体的に決めますが、それ以外の経済的には価値がなくなったような遺品についても、「自宅内の家財等の動産一切を取得する」といった項目を設けて、相続人の誰かが相続することになります。
遺品整理は相続人が行うのが基本
遺品は相続人のものですので、片付けたり、廃棄したり、買い取ってもらったりという処分を行えるのは相続人だけです。
そのため、遺品整理をすることや遺品整理を依頼できるのも相続人になります。
遺産分割協議前であれば、相続人全員の共有財産ですので、相続人全員の同意がないと遺品整理を依頼することもできません。
遺産分割協議が行われ、自宅を相続するとともに家財一式も相続した方がいるのであれば、その人が遺品整理を依頼することができるようになります。
相続人以外が遺品整理できるのか
遺品は相続人のものですので、相続人以外は勝手に遺品整理をすることや遺品整理業者に依頼することはできません。
遺品整理業者も、法令を理解して運用している業者であれば、相続人かどうかを確認し、相続人以外からの依頼は受けないのが基本です。
たとえば、故人と同居していた内縁の妻である場合や相続権がない親族などの依頼でも受けることはできません。
ただし、相続人全員から同意を得て、内縁の妻や相続権がない親族に遺品整理の委任状などが渡された場合には、相続人以外であっても遺品整理を行うことは可能です。
また、身寄りがないらしいと申し出る親友や近所の方、賃貸住宅の大家さんや不動産会社の場合も、遺品整理の依頼はできません。
本当に身寄りがないのか、相続人を探すことが必要です。
相続人全員が相続放棄した場合
遺品や不動産といったプラスの財産より、借金の金額のほうが多く、相続人全員が相続放棄した場合はどうなるのでしょうか。
相続放棄すると代襲相続もなされないので、ほかの親族なども相続人にはなりません。
借金の返済義務を負う人はいなくなりますが、残っている相続財産を管理する必要が生じます。
そのため、家庭裁判所で相続管理人が選出されるのが基本です。
選出された相続管理人が財産の調査や管理、換金・処分などを行う役割を担います。
自宅内に残された遺品も、相続管理人が管理、処分する権限を持ち、遺品整理を行うにあたって、遺品整理業者に依頼することもあります。
相続人以外でも相続人に代わって依頼できる一例です。
まとめ
遺品は相続財産であるため、相続人以外が遺品整理をすることや遺品整理業者に依頼することはできません。
ただし、相続人全員が同意して委任したような場合は可能です。
故人が生前に身寄りがいないと話していたとしても、実際に相続人がいないのか調べないことには、相続人以外が勝手に遺品整理をすることもできません。
相続放棄により相続人全員がいなくなった場合には、家庭裁判所で相続管理人が選出され、その方が遺品整理をすることや遺品整理業者に依頼することは可能です。
以上、相続人以外が遺品整理できるのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
代表取締役、終活ライフケアプランナー
中山 信吾
ご遺族の気持ちを大切にして、遺品整理士としての専門知識を活かしながら働いております。 終活のお手伝いもぜひお任せください。